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沢乃井健 ……… デビューする時に、裕也さんが考えて
くださった芸名。
カメリハの件………『酒場でDABADA』を初めて歌う時、
絵があまり良くないと クレームをつけ
て、「僕は一生懸命やっているんだから
ちゃんとお願いします。」と言ったら、
わかったと言ってやってくれたんです。
タコ ………………『イモ』みたいなことです。
エフジェー ……… 40才のこと。
オフィス〝花〟…… 麻雀屋
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この方は色んなことを、よくご存知なのですね。〝長く続
けて飽きがこなかった。根気が良かったのでしょうね。〟
この言葉はいいね。また、フランス人らしい表現ですね。
野村克也さんの出された本を読んでいたのですが、その中
で、〝私はクビになるまで使ってもらえなくなるまでやって
みたい。それだけ野球というのは、奥の深い凄いもんだと
思う〟と 言われまして、なんでもそうだと思うんだけど。例
えば、一時、芸能界っていう、こういう世界は男一生の仕事
じゃないとか言っている人も多かったし、実際そう思っている
人も、今も多いと思うんだけど、どういう仕事でも誇りを持つ
ということ。それからまた、その仕事の中で、自分自身の水
準を高めようとするっていうか、少しでも前、少しでも上、振り
かえることなく 全身あるのみっていう、こういう気分っていう
のは僕は好きだね。出来る 出来ないっていうのは結果で
あって、ある程度しょうがないことだとは思うんだけれども、
そういう気持ちで ズーッとやってゆきたいと思うし、そういう
意味では どうして野村さん、辞めちゃったんですか!
本当にもぅ……〝一人の男として、高く評価しています。〟
年長の方から、こういう具合に言われますと、なんか自分で
は子供のつもりですから、「はぁー そうですか、どうも…。」
と 恐縮してしまいそうです。タイガースの時代の『花の首飾
り』は僕、コーラスだけしか していなかったのですが、コーラ
スの声を聴いてくださったのでしょうか。(笑) 余計なこと、
考えたりして。でも52年には『勝手にしやがれ』。 色んな事
知っていらっしゃるのですね。年表を調べて書いて下さった
のかね?って 感じもありますけれども。しかし、〝名実共に
頂点を極めた〟 しかし、僕は頂点を極めたという言葉は、
嫌いですよ、野村さん!まだまだ、頂点はまだまだ、この先
にあると思いたい!そうでそう? 男なら! なんて…いや、
そんなことでございまして……僕はそんな気持ちでがんばっ
てみたいというね。間違ってませんよねぇ………野村さん!
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〝息の長い歌手である為の三つのこと。目先のことに捕らわ
れないでほしい〟そうなんですよね。最近は特に、一曲一曲
のサイクルっていうんですか、インターバルっていうか、それ
が凄くなくなって、僕なんかでも、年に三、四枚のシングル、
二枚のLP.これ自体がちょっと、しんどいことはしんどいん
ですよね。ところが、やっぱり需要っていうか、ひと月も歌っ
ていると、次の曲は何ですか? って聞かれるのも事実なん
ですよね。だから、需要と供給のバランスというのも考えない
といけないから、その辺は、難しいところなんだけど、目先の
ことだけに捕らわれないで、長い目で見ないといけないけれ
ども、今のことを考えてやらないと、先のこと考えてても、今
がドンドン良くなくなると、それもいけないし、まぁ、本当にや
りにくい時代だなぁーとは思うんですけど、そこで怠けてはい
けない。 と、自分に言い聞かせて、なにくそ! 丈夫で長持
ちせないかん!しかし本当に、長持ちするということが、ある
意味での、自分の価値みたいなのを自分に対する証明にな
ると思うね。僕で言うなら、タイガースの頃っていうのは、やっ
ぱりブームだったろうし、あれはあれで、あるべくしてあったこ
とだと思うけど。これから先のことっていうのは、それ以後っ
ていうのは、やっぱり、努力とか、自分の心構えとか、やる気
とか、自覚と自分の思っていることと、やる事が ある程度重
なりあわないと、絶対 出来ないことだと思うし、それは本当
に目先のことに捕らわれないでっていうこと、肝に銘じたい
と思います。二つ目の〝歌を大切に〟ということですね。
まぁ、しかし、歌が多いから、これ本当にね…。まぁどれだけ、
自分の歌った歌が十年、二十年経って、十年、二十年じゃ
ないなぁ三十年、四十年経って、どれだけ人の心に残って
いて、あーいい歌だったなぁー と 言われるか、これは、
なかなか自信ないね…というよりも、僕の場合は、どちらか
というと、十年、二十年経っても、その時の新しい自分の歌
を歌っていたいなぁとも思うのね。だから『勝手にしやがれ』
『危険なふたり』『時の過ぎゆくままに』を、その頃、また歌
っているというのではなくてその頃にまた、新しい時代が
やって来た! ということになっているのかもしれないけれ
ども…それから、やっぱり、体が資本ということは、もうこれ、
ね、わかりましたよ。考えても全然いいアイディアも出てこ
ないもん。気をつけてがんばりたいと思います。とにかく、
淡谷のり子さんよりも、長いキャリアーを誇りたいと、この
ように思っております。
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初めてお会いしたのは『サムライ』を歌っていた時です。
「ハーケンクロイツ」等々で、ナンヤカンヤと言われて
いたときです。
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かなり文面は、気を使ってくださいまして、柔らかな表現に
なっていますが、チクチクとすることがございまして
〝文化の尺度は、その国の芸能人の年令に比例するなどと
申します。つまりこれは、芸能人が若年化し、野暮な真似を
すればするほど、その国の文化水準は低下していって
しまうということであります。このあたりは、私と致しましては
軽薄なことの先頭に立っている人間と致しましては、
チクチクと来るところであります。〝これからの日本の
芸能界に、大きな影響を持っている沢田さん〟というとこ
ろは、皮肉なんでしょうか? といった感じもありますが、
多少なりとも認めてくださっているのは有り難く思いますが…。
でも、お褒めの言葉ばかりよりも、こういうチクチクくるのも
大歓迎です!
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