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Dear JULIE・・・


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ジュリーちゃん、タモリちゃんですよ。

しかしね、毎度あなたは、見ておりますとね、凄いですわ。

本当に ウン!男として実によくやっている。よく計算され

ている。あなたはエライ! そしてスタッフもエライ! そう

いう感じがする訳でございますよね。例えば、振り一つ、

化粧一つを取りましても、テレビの画面という物を、ちゃん

と意識して、あの大きさで処理でき、しかもきれいに映るよ

うにと考えていらっしゃるでしょう。お化粧するということ、あ

れはとても危険性を含んでいる。例えば、お化粧して半裸

に近い状態で歌うと、大体、オカマになりますわね。コリャー

ところが、あなたの場合、男っぽいんだよ。化粧した男には

二通りあるんです。大体、オカマっぽくなるか、どうしようもな

い田舎のジッちゃんが化粧して、キモチワルイーという、

二通りがあるんだが、あなたの場合は違うんだよね。

きれいで しかも男っぽさ、骨っぽさというものが前面に出て

いる。男の色気というものに関しては、私の右に出るのは、

あなたぐらいしかいないんじゃないかと思う。この凄いあなた

に、一つだけ私が勝っているものがある。フフフフ…。

これだけは自信があるんだよね。どこでしょうか………

それは? 私のオシリでございますね。これは芸能会で一番

きれいと言われておるのですが。今度はひとつ、おしりを後

ろ向きにパッと出しまして、二人でポスターかなんかで使っ

てね。なんのためのポスターか わかりませんが、化粧品か

なんかでもいいじゃないですか。〝ビューティフルなおしりは

男の魅力〟とかなんとか言いまして、突き出してゆきたいと

思います。あんたはエライ!本当に期待しておりますので、

どこまで、どのように変化するか、あなたが何を歌おうが、

殆んど関係ない。ただそれをどういう風に、処理してゆくかと

いうのが、みものでありますので、一つこれからも健闘を期

待しております。ごめんなさいね。色んなこと、言っちゃって

それではオバチャマ、これで終わるわね。
                             タモリ
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沢乃井健様

その後、元気ですか? 『DABADA』の方も好調そうで

なによりです。先日、疋田らと、フジTVで、ミーティング

のあと、君の話題になりました。ヒットスタジオのカメリハ

の件、とてもインタレスティングでした。「俺も必死でやっ

ているんだ!」と その一言は、彼にも非常にファイトを

沸かさせ、初心に帰るって決めたそうです。

能書きは言えても、肝心のところには、腰砕けになる連

中の多い中、感心しました。ガキの頃、俺の決めた言葉

は『ふざけんなョ! 俺は青春を賭けてるんだ!』と、

今考えるとタコでした。オンエアは、高田君たちの夜のオ

フィス〝花〟で観ました。おしぼり付きで。こちらもエキサ

イトしました。 大晦日のニューイヤー・コンサートのスタ

ンバイで忙しくなってきました。今年は、グループも30ぐ

らいになってしまい、ステージングの壁に当たっています。

また是非、覗いてください。東宝から、日劇を打ち壊す前

に、ウェスタン・カーニバルを是非やりたいとオファーがあ

り、プロデューサーという形で田辺昭ちゃんと参加するこ

とになりました。一度、ミーティングしたいのです。宜しく。

ノスタルジーでなく、俺達は今、生きているという確認の為

にやりたいと思っています。 先日、東映の人から、深作

さんが天草四朗を、君でやりたいという話しを聞きました。

今しか出来ないと思います。シンガポールで、熱っぽく

話してくれた『太陽を盗んだ男』以上に期待しています。

君にとっての一等賞とは、君自身にしか出来ないことだか

ら。ジョン・レノンとヨーコさんのニューアルバム『ダブル・

ファンタジー』を聴きました。彼もエフジェーになったそうで

す。その中のヨーコさんの曲『キス・キス・キス』日本語で

『抱いて・抱いて・もっと・もっと』ロマンポルノも顔負けです。

よく誰かが言いやがる〝男は年令なりに〟と。『なに言って

やんで! 俺はいやだ!』ロックンロールを選んだのです。

常識というやつを越えてみたい。君はやっています。

結果だけにこだわらずに、ビシバシと決めまくってください。

明るく飲める日を楽しみにしています。

 沢乃井健様
 
                内田 裕也 (ロックシンガー)

* * * * *

沢乃井健 ……… デビューする時に、裕也さんが考えて

            くださった芸名。

カメリハの件………『酒場でDABADA』を初めて歌う時、

            絵があまり良くないと クレームをつけ

            て、「僕は一生懸命やっているんだから

            ちゃんとお願いします。」と言ったら、

            わかったと言ってやってくれたんです。

タコ ………………『イモ』みたいなことです。

エフジェー ……… 40才のこと。

オフィス〝花〟…… 麻雀屋

                       * * * * *

 フランスの名優、ジャン・ギャバンが 生前、ドヌール

勲章を受章された時、「まさか、胸にぶら下げて映画に

出る訳にはいかないが、自分の商売を長く続けて 飽き

がこなかった。根気が良かったのでしょうね。」と言った

そうです。これは 私の好きな言葉の一つなのです。

男というものは、自分の仕事に対して、少しでも高い水準

を求め、それを維持しようとすると闘争心が必要です。

そこから人間としての、成長も得られます。その点で、私は

沢田研二さんを一人の男として、高く評価しています。

初めて、あなたの声を聴いたのは、確か十二~三年前、

タイガース時代の『花の首飾り』でした。その後、ソロシンガ

ーに転身して、五二年には『勝手にしやがれ』で、名実共に

頂点を極めました。その後も、一曲一曲に工夫をこらして、

ファンの支持を得るために努力している。私は現役を引退

しましたが、あなたは一年でも長く私達を楽しませて下さい。

  沢田研○様
       
           野村 克也 (元・西武ライオンズ捕手)

*****

 この方は色んなことを、よくご存知なのですね。〝長く続

けて飽きがこなかった。根気が良かったのでしょうね。〟

この言葉はいいね。また、フランス人らしい表現ですね。

野村克也さんの出された本を読んでいたのですが、その中

で、〝私はクビになるまで使ってもらえなくなるまでやって

みたい。それだけ野球というのは、奥の深い凄いもんだと

思う〟と 言われまして、なんでもそうだと思うんだけど。例

えば、一時、芸能界っていう、こういう世界は男一生の仕事

じゃないとか言っている人も多かったし、実際そう思っている

人も、今も多いと思うんだけど、どういう仕事でも誇りを持つ

ということ。それからまた、その仕事の中で、自分自身の水

準を高めようとするっていうか、少しでも前、少しでも上、振り

かえることなく 全身あるのみっていう、こういう気分っていう

のは僕は好きだね。出来る 出来ないっていうのは結果で

あって、ある程度しょうがないことだとは思うんだけれども、

そういう気持ちで ズーッとやってゆきたいと思うし、そういう

意味では どうして野村さん、辞めちゃったんですか! 

本当にもぅ……〝一人の男として、高く評価しています。〟

年長の方から、こういう具合に言われますと、なんか自分で

は子供のつもりですから、「はぁー そうですか、どうも…。」

と 恐縮してしまいそうです。タイガースの時代の『花の首飾

り』は僕、コーラスだけしか していなかったのですが、コーラ

スの声を聴いてくださったのでしょうか。(笑) 余計なこと、

考えたりして。でも52年には『勝手にしやがれ』。 色んな事

知っていらっしゃるのですね。年表を調べて書いて下さった

のかね?って 感じもありますけれども。しかし、〝名実共に

頂点を極めた〟 しかし、僕は頂点を極めたという言葉は、

嫌いですよ、野村さん!まだまだ、頂点はまだまだ、この先

にあると思いたい!そうでそう? 男なら! なんて…いや、

そんなことでございまして……僕はそんな気持ちでがんばっ

てみたいというね。間違ってませんよねぇ………野村さん!

                             *****

沢田研○様

お元気ですか?今日はジュリーのファンの一人として、お手

紙書かせて頂きます。私、普段は毒舌家とか、恐いおばさん

だとか、言われているようですけれど、今の歌謡界のことを 

ありのままに 包み隠さず申しあげると、ああなってしまうん

ですよね。とにかく、今の歌の世界には、歌手という名を返

上して頂きたい、やめて頂きたい方が多過ぎます。歌唱力、

表現力等という言葉の意味さえ知らない人達が、マイクを握

りしめて、無理な声を張り上げている有り様は、目を覆いた

くなるばかりです。けれども、ジュリーは別。ファンの色眼を

抜きにしても、あなたは別だと思います。どうぞ、これからも

末永く歌い続け、息の長い歌手になってください。息の長い

歌手であって頂くために、私は、三つのことを申しあげたい

と思います。一つ目は、目先のことに捕らわれないでほしい

ということです。世間には色々なことを言う人がいます。様々

な おいしい話しや、興味の引かれる話しもあると思います。

けれども、いつも自分が、歌手・沢田研○であることを忘れ

ず、その目で物事を決断していってほしいと思います。

二つ目は、歌を大切にということです。自分に与えられた歌、

皆さんが聴いてくださる歌を、最高の宝物と思ってください。

それを日々、磨き込み、命の次に大切な物としていってくだ

さい。三つ目は、体を大切にということ。これは、もう、あなた

自身が充分にわかっていると思いますから、何も申しあげま

せん。ファンレターを書こうと思ったのに、また、お説教じみ

てしまいましたね。ごめんなさいね。どうぞ、これからも私た

ちファンの為に、そして芸能界の為に、力いっぱい歌い続け

てください。お願い致します。
 
                     淡谷 のり子 (歌手)


* * * * *

〝息の長い歌手である為の三つのこと。目先のことに捕らわ

れないでほしい〟そうなんですよね。最近は特に、一曲一曲

のサイクルっていうんですか、インターバルっていうか、それ

が凄くなくなって、僕なんかでも、年に三、四枚のシングル、

二枚のLP.これ自体がちょっと、しんどいことはしんどいん

ですよね。ところが、やっぱり需要っていうか、ひと月も歌っ

ていると、次の曲は何ですか? って聞かれるのも事実なん

ですよね。だから、需要と供給のバランスというのも考えない

といけないから、その辺は、難しいところなんだけど、目先の

ことだけに捕らわれないで、長い目で見ないといけないけれ

ども、今のことを考えてやらないと、先のこと考えてても、今

がドンドン良くなくなると、それもいけないし、まぁ、本当にや

りにくい時代だなぁーとは思うんですけど、そこで怠けてはい

けない。 と、自分に言い聞かせて、なにくそ! 丈夫で長持

ちせないかん!しかし本当に、長持ちするということが、ある

意味での、自分の価値みたいなのを自分に対する証明にな

ると思うね。僕で言うなら、タイガースの頃っていうのは、やっ

ぱりブームだったろうし、あれはあれで、あるべくしてあったこ

とだと思うけど。これから先のことっていうのは、それ以後っ

ていうのは、やっぱり、努力とか、自分の心構えとか、やる気

とか、自覚と自分の思っていることと、やる事が ある程度重

なりあわないと、絶対 出来ないことだと思うし、それは本当

に目先のことに捕らわれないでっていうこと、肝に銘じたい

と思います。二つ目の〝歌を大切に〟ということですね。

まぁ、しかし、歌が多いから、これ本当にね…。まぁどれだけ、

自分の歌った歌が十年、二十年経って、十年、二十年じゃ

ないなぁ三十年、四十年経って、どれだけ人の心に残って

いて、あーいい歌だったなぁー と 言われるか、これは、

なかなか自信ないね…というよりも、僕の場合は、どちらか

というと、十年、二十年経っても、その時の新しい自分の歌

を歌っていたいなぁとも思うのね。だから『勝手にしやがれ』

『危険なふたり』『時の過ぎゆくままに』を、その頃、また歌

っているというのではなくてその頃にまた、新しい時代が

やって来た! ということになっているのかもしれないけれ

ども…それから、やっぱり、体が資本ということは、もうこれ、

ね、わかりましたよ。考えても全然いいアイディアも出てこ

ないもん。気をつけてがんばりたいと思います。とにかく、

淡谷のり子さんよりも、長いキャリアーを誇りたいと、この

ように思っております。
    
                             
* * * * *

 華麗なスポット・ライトの中、絢爛たる衣装をみにまとい

派手やかなジェスチャーで熱唱する君が、帽子を客席に

投げて、歌い終わった瞬間、フッと覗かせる あのシラケ

タ物憂げな微笑。喝采を浴びながら醒めている目。

それが君の魅力だ。と 私は前から思っていた。

映画、『魔界転生』の打ち合わせで初めて会ったとき、君

は熱心に、僕の構想を聴いていたが、終わって一言 

ポツンと言った。「おもしろいですね。やりたいと思います」

その時も口元には、物憂げな微笑が漂い、目は冷たく醒

めていた。盲目的な陶酔派、熱中派に現在の意識は表現

できない。 と言って、しらけっぱなし、醒めっぱなしの人間

に、表現をいう行為はあり得ない。しらけた時代の中で、醒

めた意識を持ち続けながら、なおも、絢爛たる虚構の構築

に熱中し、陶酔しうる。その点に 時代の寵児たる君に面目

があるのか。 『魔界転生』のクランク・インを前にして、僕は

君の『源氏物語』をビデオで観た。義理の母への愛の告白が

ひんやりした暗い目と、物憂げな口調で語られるのを観なが

ら光源氏は、時空をこえて、現在に生きたと僕は思った。

そこには、明星を拒否しながら、暗い宇宙で、燃え続ける情

熱の炎があった。 さて、天草四朗時貞、三万のキリシタン

信徒を引き、一二万の徳川軍勢を迎えて、一歩も退かず、九

十余日を戦い続けた男。残たる戦いの果て、冷ややかな沈

黙を守った神に反抗し、自ら、魔界に転生して、黄金色の瞳

を持った憎悪の復讐心。その、うっ屈した反抗の異端児を演

じながら、君の内なる冷たい炎が、どんな照り返しを見せてく

れるか、僕の興味は尽きない。暗闇の中の幻想の祭り。

それが映画だ。共に楽しみながら、絢爛たるお祭りに

しましょう。

                   深作 欣二 (映画監督)
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