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拝啓 沢田研○様
近頃、歌というものが段々、密室化していっているような
気がしてなりません。機械から体へ。それは一度も
外気に触れることなく、流入し、いわば、歌は注射のような
存在になりつつあると思いませんか?
ちょっとした歌の傾向と、機械の開発が、このような音楽の
楽しみ方に、変化をもたらすのでしょうが、やはり、
寂しいことのように思えます。
歌は外気の中を、活力に満ちて飛翔し、一人一人の
心の中に、それぞれの革命を起こさせることに、意味が
あるような気がしませんか?
それぞれの小さな革命が、時と所を選ばずに、新たな
活力を生み出している現実を見ることは、歌を送りだす側
としては、こたえられない快感にもつながると思います。
その歌が密やかに密室にこもり、密やかな楽しみになって
いる様を、沢田研○さん、あなたが黙って見ていては
いけません。いけないのです!歌に翼を生やし、歌に炎を
持たせ、時に歌に花や剣をくわえさせ、街の中を自由に
大胆に、そして最新に、飛び回らせようじゃありませんか?
そのような歌を送り出せるのは、あなたしかなく、
言い換えれば、沢田研○の使命でもあるのです。
いつか、なにかの機会に話したことがあると思いますが、
ありそうな形をした嘘よりも、ありそうもない姿をした真実を
描く方が、ズーッと誠実だと信じています。
壮大な嘘の顔をした真実を、壮大なまやかしのふりをして
歌ってみませんか?なにしろ、沢田研二の歌で、それぞれの
小さな革命が起こることを、そして、歌が密室から、再び、
外気に出ることを、誰よりも 期待しているのです。
阿久 悠 (作詞家)
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阿久さんはずっと前から『ありそうな形をした嘘よりも、
ありそうもない姿をした本当のこと、これが沢田研○が歌う
題材だろう』と おっしゃっていましたが、自分でよく、
冷静に考えますと、こういう気分というのはよくわかるんだ。
阿久悠さんのおっしゃることも正しいと思うし、だが、
実際問題として、非常にむつかしいことだと思うんだ。
それが沢田研○の使命と言われるけれど、これは
むつかしいことだぞ。そう言ってくれるなら、本当に
そういう詞を書いてもらいたいね。言うのはかんたん。
するのはむつかしい! って これなんだよ。じゃなかったら
阿久悠さんの詞で、僕の歌だったら、一等賞を取って
いるでしょう。それが取れないということは、どっかに
間違いがあることを、僕達は 気付かなければならない
のではないかと。どんだけがんばっても、なぜ、一等賞に
なりえないか?これですよ、阿久悠さん!宜しくお願いしま
す。
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